HOME > ブログ > アーカイブ > 高次脳機能障害

ブログ 高次脳機能障害

受傷後の意識障害の程度は軽微ではあったが、画像所見、医師の所見、 神経心理学的検査の結果、被害者本人の法廷での供述状況等を考慮し、 5級の高次脳機能障害を認めた

受傷後の意識障害の程度は軽微ではあったが、画像所見、医師の所見、
神経心理学的検査の結果、被害者本人の法廷での供述状況等を考慮し、
5級の高次脳機能障害を認めた




               事件の概要
事故の状況 加害車両(普通乗用自動車)が、右折専用車線から直進車線に進路変更したところ、直進車線を走行してきた被害車両(普通自動二輪車)に衝突した
被害者 男性・大工・症状固定時30歳
事故日時 平成18年11月18日 AM8:10頃
症状固定日 平成20年2月22日
受傷内容 頭部外傷、頸椎捻挫、全身打撲、頭蓋骨骨折、脳挫傷


自賠責の認定


後遺障害等級 12級13号(局部に頑固な神経症状を残す)、高次脳機能障害は否定
理由 頭部の画像からは左前頭葉および側頭葉における脳挫傷痕の残存やこれに限局した脳萎縮の所見は認められるものの、脳室の拡大や脳全体に及ぶ明らかな萎縮は認められない。
事故当初における意識障害の程度等も併せて勘案すると、重度の高次脳機能障害が生じたことを裏付ける他覚的な医学的な所見は乏しい
当事者の主張

「被害者」
①被害者には、受傷直後に3日間、軽度の意識障害が生じた
②画像所見では、局在性脳損傷だけでなく、びまん性脳損傷又はびまん性軸索損傷
の広範囲にわたる脳外傷が生じたとされている

③神経学的検査の結果は、被害者に認知障害および記憶障害があることを示すものであった

④被害者は、通常の労務に服することができず、家族からの声かけや看視がなければ生活
することができないので、後遺障害等級5級に相当する


「加害者」

①被害者の指摘する画像で確認できる脳挫傷痕は微少であり、局所的脳損傷を原因とする高次脳
機能障害が残存しているとみることはできない。


CT,MRI,PET検査によって器質性損傷のデータが得られない場合でも脳外傷と診断すべき少数の事例があるとする・・・

CT,MRI,PET検査によって器質性損傷のデータが得られない場合でも脳外傷と診断すべき少数の事例があるとする
医学的所見もあることに照らせば、総合的な判断により高次脳機能障害を認定できる本件で、現在の医療検査技術のもと
で被害者に脳の器質性の損傷を示す異常所見が認めㇾㇾないからといって、これを否定することは相当でないとして、
9級を認めた事例

                 事件の概要
事故の状況 加害車両(普通貨物自動車)が、中央線を越えて対向車線に進入し、対向車線を走行していた被害車両(普通貨物自動車)と衝突した。
被害者 男性・工事の現場監督・症状固定時53歳
事故日時 平成14年5月2日・AM8:40分頃
症状固定日 平成15年9月15日
受傷内容 頭部外傷Ⅱ型(脳震盪型)、頭部挫創、顔面挫創、腰部挫傷等
自賠責の認定
後遺障害等級 併合14級(右前額上部の線状痕等につき14級11号、頸部痛等につき14級10号)、高次脳機能障害は非該当
理由 画像上、外傷性脳内病変はみられず、脳萎縮も年齢相応の他には委縮の進行も認められない。また、治療経過において11か月の中断期間がある。

当事者の主張

「被害者」
①事故態様内い受傷機転、②事故直後の見当識障害、その他後の記憶障害、注意障害、

人格情動障害等の被害者の症状、③各種検査の結果④被害者に事故前の精神障害の既往症がないこと、
等からの脳の器質的損傷ないし高次脳機能障害の症状が存する


「加害者」
①被害者には、CTやMRI画像上、脳内の出血、硬膜下水腫、脳萎縮等の異常が一切存在していない。

②被害者の現在の高次脳機能障害様の症状については、事故と無関係な非器質性神障害に
よるものにすぎない。

                判決の結論
後遺障害等級 9級(高次脳機能障害につき9級)
労働能力喪失率 35%
労働能力喪失期間 14年
後遺障害慰謝料 710万円
素因減額 なし

主な証拠と医学的検査の結果

主な証拠
・後遺書障害診断書
・頭部外傷等についての文献
・診療録
・画像診断報告書・被害者の妻、仕事仲間の陳述書
・被害者代理人の報告書


○医学的検査の結果
・X線、CT,MRI:異常所見なし
・SPECT:軽度だが脳血流の低下あり
・WAIS-R:全体性評価点89点/92点(2回実施)
・長谷川式簡易知能評価スケール

判決の要旨
①確かに、被害者は、頭部X線検査、頭部CT検査及びMRI検査において
異常所見が認められていない。

②しかしながら、被害者は、事故により頭部に極めて大きな外力を受けて
頭部外傷の傷害を負った。

③②の結果、被害者には、意識喪失が生じ、比較的早期に意識回復したものの、
見当識障害があり、意識清明に戻るには一定の時間を要した。

④被害者の事故後tの症状は、典型的な高次脳機能障害症状を呈している。

⑤事故前の被害者には精神障害はなく、(大学の建築学科を卒業するなど)
知能が普通よりも高めと見られたのに、事故後の知能検査の結果では、ほぼ
性状の範囲内にあるものの経度の知的障害も認められる。

⑥SPECT検査では、軽度ではあるが脳血流の低下が認められている。

⑦これらを総合して考えると、被害者の事故後の症状は高次脳機能障害の症状と
認めることができ、事故との因果関係を肯定できる。

⑧自賠責の高次脳機能障害の診断基準のうち、「頭部画像上、初診時の脳外傷
が明らかで、少なくとも3か月以内の脳室拡大・脳萎縮が確認されること」について、
CT,MRI、PET検査によって器質性損傷のデータが得られない場合でも脳外傷と診断すべき
少数の事例があるとする医学低所見もあることに照らせば、総合的な判断により
高次脳機能障害を認定できる本件で、現在の医療検査技術のもとで被害者に脳の器質性損傷
を示す異常所見が認められないからといってこれを否定することは相当でない。

⑨事故後、被害者が建物建築請負業を廃業し、その後一旦は工事現場での技術的指導員(現場監督)
として就職したが、高次脳機能障害特有の症状により退職せざるを得ず、その後稼働できていないことによれば、
後遺障害9級と認めるのが相当である。

解説

自賠責では外傷性脳内病変はみられないこと等の理由で、高次脳機能障害が認定されませんでした。
これに対して、本裁判例では、被害者が事故により頭部に極めて大きな外力をを受けて
頭部外傷を負ったこと、その結果被害者に意識喪失、見当識障害が生じたこと、被害者が典型的な
高次脳機能障害症状を呈していること等を主な理由に、高次脳機能障害症状を呈していること等を
主な理由に、高次脳機能障害が認定されました。
被害者側が事故態様と受傷機転を丁寧に主張立証したため、判決で被害者が頭部に極めて大きな外力を
受けたことや、右前頭部を強くフロントガラスに打ちつけたこと等、具体的な認定がなされています。
また、「判決の要旨」⑧で認定された医学的所見について、被害者の稼働状況については、妻仕事仲間の陳述書
、代理人の報告書が証拠提出された模様です。

なお、本判決では、後遺障害慰謝料は、事故後の加害者側の対応等を考慮の上、通常の基準より
やや高い710万円とされました。

参考図書(引用図書)
交通事故訴訟における典型後遺障害と損害賠償実務(未来総合法律事務所編著) 発行株式会社 ぎょうせい
認容事例にみる後遺障害等級判断の境界 -自賠責保険の認定と最判例ー(共編 九石拓也弁護士、 楠 慶弁護士)発行新日本法規



相談件数延べ187件の実績*H28.3月現在
 福岡県の交通事故の後遺障害申請のことなら・・・
   ↓↓↓
交通事故における後遺障害申請手続き専門事務所
 松尾和博行政書士事務所に
 おまかせください。
⇒ http://www.kouisyou.com/

福岡県内での建設業許可申請のことならお任せください。
 福岡県の建設業許可のことなら・・・
  ↓↓↓
福岡建設業許可を得意とする
松尾和博行政書士事務所に おまかせください。
⇒ http://www.kouisyou.com/builder/


福岡県内の運送業の許可・一般貨物許可のことならお任せください。
 運送業専門事務所松尾和博行政書士事務所
↓↓↓
 ⇒http://unnsougyou-fukuoka.com/


高次脳機能障害につき自賠責の7級4号(併合6級)との判断を維持しつつ、労働能力喪失率につき6級と5級のほぼ中間値の75%とした事例

高次脳機能障害につき自賠責の7級4号(併合6級)との判断を維持しつつ、労働能力喪失率につき6級と5級のほぼ中間値の75%とした事例
について解説したいと思います。

事件の概要
事故の状況 交差点で、直進していた被害車両(普通自動二輪車)の右側面に、対向車線から右折しようとした加害車両(普通貨物自動車)が衝突した。
被害者 女性・会社員(プログラマー)・症状固定時31歳
事故日時 平成10年2月15日・PM8:40頃
症状固定日 平成14年6月27日
受傷内容 脳挫傷、肺挫傷、下顎骨骨折、右股関節脱臼骨折、両鎖骨骨折、肋骨骨折、右動眼神経麻痺等
自賠責の認定
後遺障害等級 併合6級(高次機能障害につき7級4号)
理由 記憶力、持続力、集中力及び問題解決能力の低下があり、右股関節脱臼後の右股関節痛等を含め総合的に評価し7級4号に該当するものと判断する。
当事者の主張に関して


「被害者」
被害者は、事故により頭部外傷の傷害を負い、高次脳機能障害
後遺症が残り、記憶力、持続力、集中力及び問題解決能力が著しく低下した。
これに加え、右股関節脱臼後の右股関節痛等を含めて総合的に評価すれば、
被害者の障害は後遺障害等級5級2号に該当する。
②その他の複視ないし羞明の後遺障害と併合すると、被害者の後遺障害等級は併合4l級となる



「加害者」
①被害者は、本人尋問において、少なからぬ質問に対し覚えていないと答えているが、
全体を通してみると、尋問は円滑に進んでおり、意志疎通能力、問題解決能力の半分以上を
喪失した状態にあるとまでは認められない。

②被害者は、記憶力に問題があるにせよ、「軽易な労務」に服することができる。
被害者は一般人と同等の作業は行えないものの、一般就労を維持することは可能である。

③被害者は、自らの易怒声を認識し、それを適切に抑えられている。

④自賠責による高次脳機能障害の等級認定(7級4号)妥当であり、
被害者の後遺障害等級は併合6級相当である。


判決の結論

後遺障害等級 併合6級(高次脳機能障害につき7級4号)
労働能力喪失率 75%(6級の67%と5級の79%のほぼ中間値)
労働能力喪失期間 36年
後遺障害慰謝料 1200万円
素因減額 なし


主な証拠と医学的検査の結果

主な証拠
・各病院の診断書等
・後遺障害診断書
・被害者本人の尋問

医学的検査の結果
検査の名称等の詳細不明だが、判決文中に事故後の被害者のIQが
110前後であると記載がある


判決の要旨


①被害者は、事故後プログラマーとして勤務していた会社への復職の強い意欲を有し、
自宅でかなりの時間をかけて練習を積んだ上で、平成14年1月11日からアルバイトとして
事故前の仕事に復帰したが、仕事の内容について記憶をうしなっており覚えなおすのが難しく
作業時間がかかりすぎるため、部署を変わらざるを得なくなり、新しい仕事も覚えられず、
同年8月10日に退職した。平成15年終わり頃から、高次脳機能障害者が集まる作業所に通所して
袋詰めなどの単純作用に従事している

②被害者は、現在は、神経症状として、右動眼神経麻痺、嗅覚低下、右股関節痛による
歩行困難が認められ、精神症状としては、記憶、記銘力障害、性格の変化が認められる。
物忘れがひどく、新しい事が覚えられない。怒りやすく、音がうるさい、光が眩しい。
粘着性があり、しつこく、こだわりが強い。飽きっぽい。感情の起伏が激しく、気分が変わりやすい。
手中力が低下していて、気が散りやすい爆発的で、ちょっとしたことで切れやすい。
発想が幼児的で自己中心的である。多弁で話がまわりくどく、話の内容が変わりやすい。
計画的な行動がをする能力に欠ける。複数の作業を並行して処理する能力が劣る。自発性や発動性の低下があり
、指示や声掛けが必要である。服装、おしゃれに無関心である。
社会的適応性の障害により、友達付き合いが困難となり、家人としか話さない。
人混みに出かけることを嫌う。

③被害者は、事故後もIQは成城行に属している。本人尋問における供述は、
記憶がない旨の回答が多いが、質問をよく理解し、意味を取り違えるようなことはない

④平成15年6月11日付けの、医学部の脳神経外科の教授による診断では、
高次脳機能障害につき後遺障害等級5級2号に相当するとされたが、自賠責の認定では
平成16年4月19日、高次脳機能障害につき7級4号に該当するものと判断された。

⑤本人尋問における被害者の供述内容を及び供述態度によtれば、記憶力及び
記銘力を除くと被害者の能力はかなり良好に保たれていること等を考慮すると、
高次脳機能障害については7級4号、その他の障害と併合して6級との
自賠責の判断を採用するのが相当である。

⑥他方、被害者の記憶力及び記銘力の障害の程度が強いことを考慮すると、
実際に一般の就労を果たし、これを維持するんは卑怯な困難が伴うことが認められるので、
労働能力喪失率が6級と5級のほぼ中間値の75%とするのが相当である。


解説
本裁判例では、高次脳機能障害の後遺障害等級について
5級か7級かが争点となり、判決では、等級は自賠責と同様に7級
(その他の障害と併合して6級)と認定しつつ、労働能力喪失率については
6級と5級のほぼ中間値としました。
事故後のIQや被害者の本人尋問の様子等から、等級は自賠責の認定を維持したものの
、被害者が記憶力、記銘力、の障害のため職場復帰後まもなく退職を余儀なくされた等を、
労働能力喪失率の判断に際して勘案したものと考えられます。



参考図書(引用図書)
交通事故訴訟における典型後遺障害と損害賠償実務(未来総合法律事務所編著) 発行株式会社 ぎょうせい
認容事例にみる後遺障害等級判断の境界 -自賠責保険の認定と最判例ー(共編 九石拓也弁護士、 楠 慶弁護士)発行新日本法規






相談件数延べ187件の実績*H28.3月現在
 福岡県の交通事故の後遺障害申請のことなら・・・
   ↓↓↓
交通事故における後遺障害申請手続き専門事務所
 松尾和博行政書士事務所に
 おまかせください。
⇒ http://www.kouisyou.com/

福岡県内での建設業許可申請のことならお任せください。
 福岡県の建設業許可のことなら・・・
  ↓↓↓
福岡建設業許可を得意とする
松尾和博行政書士事務所に おまかせください。
⇒ http://www.kouisyou.com/builder/


福岡県内の運送業の許可・一般貨物許可のことならお任せください。
 運送業専門事務所松尾和博行政書士事務所
↓↓↓
 ⇒http://unnsougyou-fukuoka.com/

高次脳機能障害について

高脳機能障害について

1.高次脳機能障害は、脳外傷の後、急性期に始まり慢性期へと続く、記憶、記銘力障害や注意・集中力障害等の認知障害
行動障害並びに自発性低下・衝動性・易怒性等の人格変化といった症状のため、就労や生活が制限され、あるいはsy回復帰が
困難となる障害をいいます。

高次脳機能障害については、損害保険料率算出機構が、平成12年12月18日付けで「自賠責保険における高次脳機能障害認定システム
(「脳外傷による高次脳機能障害の等級認定に当たっての基本的な考え方を含みます)を公表して、高次脳機能障害認定システムが
学率され、平成13年1月より、専門医で構成される高次脳機能障害専門部会において、より慎重な等級認定が行われるようになりました。
同システムは、その後も見直しが行われ、平成19年月2日と平成23年3月4日に、それぞれ「自賠責保険における高次脳機能障害認定システム
の充実について」と題する報告書が発表されています。

2。高次脳機能障害については、①障害の存在を裏付ける画像所見の有無や内容、②頭部外傷後の意識障害の有無や程度③高次脳機能障害
に特徴的な認知障害、行動障害、人格変化といった症状の有無や程度の3点が重要なポイントとなり、主に①と②で高次脳機能障害の発生の
有無が検討され、③でその程度が検討されることになります。
上記の各要素の内、①と②については、判断の基礎となる資料が、①はCT、MRI画像等、②は事故後1週間程度の期間のカルテ等と限定される
為に相当程度客観的な認定が可能です。
しかし、③については、長期間の治療・リハビリ期間における医師のカルテや作業療法士・臨床心理士等の報告書、WAIS検査等の神経心理学的検査
の結果、家族や同僚の陳述書等、多種多様で伝聞的な要素を含む資料も判断の基礎とされるため、客観的な評価が容易でありません。
この点は、高次脳機能障害後遺障害認定において、自賠責と裁判例で判断が分かれる一つの大きな要因と思われています。

参考図書(引用図書)
交通事故訴訟における典型後遺障害と損害賠償実務(未来総合法律事務所編著) 発行株式会社 ぎょうせい
認容事例にみる後遺障害等級判断の境界 -自賠責保険の認定と最判例ー(共編 九石拓也弁護士、 楠 慶弁護士)発行新日本法規



相談件数延べ187件の実績*H28.3月現在
 福岡県の交通事故の後遺障害申請のことなら・・・
   ↓↓↓
交通事故における後遺障害申請手続き専門事務所
 松尾和博行政書士事務所に おまかせください。
⇒ http://www.kouisyou.com/

福岡県内での建設業許可申請のことならお任せください。
 福岡県の建設業許可のことなら・・・
  ↓↓↓
福岡建設業許可を得意とする
松尾和博行政書士事務所に おまかせください。
⇒ http://www.kouisyou.com/builder/


福岡県内の運送業の許可・一般貨物許可のことならお任せください。
 運送業専門事務所松尾和博行政書士事務所
↓↓↓
 ⇒http://unnsougyou-fukuoka.com/

自賠責の脳損傷認定の補助的な基準を採用した上で、高次脳機能障害の認定が行われた事例

自賠責の脳損傷認定の補助的な基準を採用した上で、高次脳機能障害の認定が行われた事例


事件の概要
事故の状況 加害車両(普通乗用自動車)が、市道上で、被害車両(自転車)に衝突した。
被害者 男性・学生・相乗固定時16歳
事故日時 平成10年6月23日
受傷内容 脳挫傷・びまん性軸索損傷等
自賠責の認定
後遺障害等級は5級2号
当時者の主張

【被害者】
①被害者はびまん性軸索損傷との傷害を負い、運動機能障害、
高次脳機能障害、記憶障害を有し、外傷性の転嫁を発症している

②被害者には、パニック障害を惹起するかとの不安が付きまとい、
単独での社会生活は危険と不安がある

③企業が被害者を雇用することは考え難く、内職等についても常時
付添がなければ適切な作業ができない

④被害者は、周囲の協力に支えられて何とか生活を維持しているか状態である

⑤被害者は常時付添がなければ労働は不可能であり、後遺障害等級3号に該当する


「加害者」

①自賠責の後遺障害等級認定は、5級である
②被害者の身体的症状は比較的軽微であり、その症状の改善は明らかであり、
自賠責の等級認定は妥当である


判決の結論

後遺障害等級 3級3号         
労働能力喪失率 100%
労働能力喪失期間 52年
後遺障害慰謝料 1800万円
素因減額 なし

主な証拠と医学的検査の結果
○主な証拠
・鑑定意見書
・OT(作業療法士)報告書
・医師の意見書
・ビデオテープ
・被害者の祖父作成の経過表

○医学的検査の結果
・GCS:7点(H9・5・6)
・WAIS-R:知能指数79(H12・6・22,H12・6・26)
・WMS-R:一般的記憶は著名に低下し、論理記憶は全くできない
・ミネソタ多面人格目録(MMPI):衝動統制の悪さ、不安、緊張感の高揚及び
落ち雨季の欠如、身体に対する懸念を持ち、時として妄想や思考混乱の傾向等
夜会適応の悪さが認められる
・脳波検査:全般的に徐波の混入が認められる
・MRすペクトロスコピー:両側の海馬領域において、Nアセチルアスパラテート(NAA)
の低下がみられる
・CT,MRI:くも膜下出血が認められた。脳の委縮傾向が認められる。


判決の要旨
①被害者は、入院時、意識レベルはGCSで7点であり、右片麻痺及び
左動眼神経麻痺を伴っており、びまん性軸索損傷と診断された。

②被害者は、神経学的身体障害者として、軽度右不全片麻痺、右半身知覚障害
言語障害、輻輳障害(近位擬視の障害等)等が認められる

③被害者は、知能低下・記憶力の低下、易興奮性・易怒性・暴力的行動の増加等の
人格変化等の状態が認められる

④医学的検査については、上記の通り認定


⑤従来、脳機能障害については、後遺障害の認定のためには、基本的に局在損傷と呼ばれる
器質的脳損傷が残存すると認めㇾㇾることが必要であった。

⑥しかし、本件の様に必ずしも脳に明確な局在的損傷が認めがたいとしても、意識の回復過程ないし
事故後の被害者のの認知納涼九や性格人格が著しく変化し、社会生活に適応できない障害をを残す場合
荷は従来の後遺障害の認定では十分に対応できない

⑦そこで、事故により脳に対する強い外力は加わり、その結果、画像で脳の委縮や脳室の拡大が認められるなど
頭部外傷によることが明らかで、受傷後の意識障害が一定期間継続し、意識回復後の認知障害と人格変化が顕著であって
これらの原因が脳外傷以外の疾患からは説明できないような、高次脳機能障害の等級については、従来の認定基準に加えて
補足的に、「自宅周辺を1人で外出できるなど、日常生活の汎愛は自宅に限定されておらず、また、声掛けや介助がなくても
日常の動作を行う事が出来るが、記憶や注意力、新しいことを学習する能力、障害の事故認識、円滑な対人関係維持能力等
に著しい障害があって一般就労が全くできないか、あるいは困難なもの」については後遺障害等級3級3号に、他方
「単純繰り返し作業等に限定すれば、一般就労も可能であるが、新しい作用を学習できなかったり、環境が変わると
作業が維持できなくなるなどの問題があるため、一般人と比較して作業能力が著しく制限されており、
就労維持には職場の理解と援助をかかすことができないもの」については、5級2号に該当するものと考えるのが相当である。

⑧被害者については、記憶や注意力、新しいことを学習する能力、障害の自己認識、円滑な対人関係維持能力に著しい障害
があって一般就労が困難ブルイに属すると考えられ、被害者の後遺障害は3級3号に該当する。


解説

本裁判例は、民事訴訟で、交通事故に伴う高次脳機能障害認定された初めての裁判例と言われています。
本裁判例では、詳細な事実認定を行ったうえで、。自賠責の脳損傷認定の補助的な基準である「脳外傷に
よる高次脳機能障害の等級認定に当たっての基本的な考え方」を採用し。当てはめが行われている点(判決の要旨)
で参考になります。

上記の補助的な基準は、平成13年1月に自動車保険料率算定会に高次脳機能障害専門部会が設置されて以降に
利用が開始されたものですが、本事例では自賠責の後遺障害認定が行われたのは平成10年頃で、
補助的な基準が策定される前でした。本事例で自賠s系の等級認定と判決の等級認定との間に差異が生じた李湯として
このような事情が大きかったのではないかと思われます。


今すぐ相談したい方はこちらをクリック (相談無料0円)
http://www.kouisyou.com/inqfm/general/

相談を後回しにすることで100万円単位で損する可能性が
ありますのでまず相談して交通事故に関する知識を得ましょう

はい!後回しにしません(相談無料0円)
http://www.kouisyou.com/inqfm/general/




参考図書(引用図書)
交通事故訴訟における典型後遺障害と損害賠償実務(未来総合法律事務所編著) 発行株式会社 ぎょうせい
認容事例にみる後遺障害等級判断の境界 -自賠責保険の認定と最判例ー(共編 九石拓也弁護士、 楠 慶弁護士)発行新日本法規



相談件数延べ187件の実績*H28.3月現在
 福岡県の交通事故の後遺障害申請のことなら・・・
   ↓↓↓
交通事故における後遺障害申請手続き専門事務所
 松尾和博行政書士事務所に おまかせください。
⇒ http://www.kouisyou.com/

福岡県内での建設業許可申請のことならお任せください。
 福岡県の建設業許可のことなら・・・
  ↓↓↓
福岡建設業許可を得意とする
松尾和博行政書士事務所に おまかせください。
⇒ http://www.kouisyou.com/builder/


福岡県内の運送業の許可・一般貨物許可のことならお任せください。
 運送業専門事務所松尾和博行政書士事務所
↓↓↓
 ⇒http://unnsougyou-fukuoka.com/

レイ複雑図形再生課題、ROCFT〜高次脳機能障害について〜

高次脳機能障害について
各種検査について解説します。

レイ複雑図形再生課題、ROCFT

レイ複雑図形検査 Rey-Osterrieth Complex Figure Test, ROCFTと呼ばれる視覚性記憶検査です。
図形を見ながら描く模写、その直後に図形を見ないで思い出して書く直後再生、30分後に、
再び図形を見ないで記憶を頼りに再生する遅延再生の3つの検査を行います。
記載の有無や歪み、適切な配置ができたかどうか18項目に分けて0.5点〜2.0点まで、
5段階で採点します。
視覚性記憶のみではなく、視覚性認知、視空間構成、遂行能力なども評価できます。


◯半側空間無視

世界の左半分がない世界?左目が見えない?というより左目に映る映像を認識できない状態です。
脳の障害で、頭頂葉や右側頭葉に硬膜下血腫等による圧迫、ダメージを受けた方に多く見られます。
同じく、右側が認識できないケースもあります。

これは視神経障害による失明とは違います。
通常、人は眼に映った情報で脳を解析しています。
しかし、脳の解析システムが故障することによって、映るものが認識できない状況に陥るのです。
視神経の障害で失明すると本人は見えないことを自覚していますが、見えないことすら自覚して
いません。

日常の例では、
①食卓に並んだいくつかのおかずの皿も右半分しか箸をつけない?
②廊下を歩く時、片側に寄ってしまい、肩を壁にすりながら歩いてしまう?
③片側がよく人や物にぶつかる?
④家の絵を描かせると片側半分だけしか描かない?
⑤片側から話しかけ」ても反応しない?
⑥片側に人が立っていても存在に気づかない?


後段で詳細を解説しています。

⑴行動性無視検査、BIT

BITは、従来の視空間認知検査法であった、「線分抹消課題」や「線分2等分課題」など、
机上の視覚認知評価6種類からなる、「通常検査」と日常生活場面を想定した、「行動検査」
の2つを行います。
絵や文字の消去や線引きなどいかにも検査的な通常検査に加え、「行動検査」を加えることに
より、より詳細に症状を訴えることが可能です。
例えば文章の読み書き、時計の認識、物品・硬貨の認識など、より生活の困窮点を明らかに
することができます。

  通常検査 行動検査
線分抹消試験 写真課題
文字抹消試験 電話課題
模写試験 メニュー課題
線分二等分試験 音読課題
描写試験 時間課題
  硬貨課題
  書写課題
  地図課題
  トランプ課題

◯遂行能力、作業負担に対する持続力・持久能力注意機能 検査

注意力散漫になり、作業が長く続かない?
まとまりのない会話が続く、思考や行動に混乱がある?
1つのことに固執して他に目がいかなくなる?
同時に2つのことを並行してできない?
これらは、元々の性格、能力である場合も考えられます。
例えば、集中力がない人、飽きっぽい人、こだわり性の人が周囲にも見受けられます。
しかし受傷前後で大きく変化した、極端に低下した場合、これらが家族にしかわからない事実
であることから、この事実を客観的に判断することはとても厳しくなります。
なぜなら、審査する側は、被害者の元々の能力・性格を知らないからです。
書面審査の限界も予想されるところです。
このことは、性格変化の障害を評価する上で非常に悩ましい問題です。
しかし、少なくとも現状の能力については検査により数値化が可能です。
認知障害、記憶障害、言語障害は、前述の通りの検査ではっきりします。
注意機能とそれにつながる性格変化については、「日常生活状況報告」の裏付けとなるよう、
検査を丁寧に重ねる必要があります。

遂行機能=実行機能、executive functionは一般、日常生活において自ら目標を設定し、
計画を立て、実際の行動を効果的に行う能力です。
また、なんらかの問題の遭遇した際、それを解決していくために動員される、
一連の複雑な認知・行動機能の総称と考えられており、問題解決能力にも影響を与えています。

日常、以下のような行動や性格変化によって社会復帰が困難となります。

見通しを自分で立てられない→病院の予約や薬の管理は家族がやらざるを得ない。

1つ1つ指示しなければ行動できない→切符を買うのに横で補助が必要となる。

自ら行動を開始しない→お腹が空いていても家族が配膳するまで食事をとらない。

効率よく物事を進められない→掃除の手順が悪い、1つの作業に固執する。

物事を最後までやり遂げられない→皿洗いを途中でやめてテレビを観ている。

周囲を気にせず自分勝手に行動する→実家でくつろいでいる時、突然帰ると言い出す。

理由なく機嫌が悪くなる→お笑い番組を観ているときでも急にムスッとする。

些細なことで激怒する→レストランで料理が出るのが遅いだけでキレてしまう。

人見知りが激しい→気に入らない人物であれば、口をきかず、目も合わせない。

無気力で、すぐ倦怠を示す→仕事に復帰しても一日中ボーッとしている。

家族にしか分からない症状を第三者、Nliro調査事務所に理解してもらうことは、
高次脳機能障害立証の基本であり、省略することは許されません。


福岡建設業許可を得意とする
松尾和博行政書士事務所に に

おまかせください。
⇒ http://www.kouisyou.com/builder/
 

年間100件の実績
福岡県の交通事故・労災の後遺障害申請のことなら・・・
   ↓↓↓

交通事故・労災における後遺障害申請手続き専門事務所
松尾和博行政書士事務所に
おまかせください。
⇒ http://www.kouisyou.com/


福岡県内の運送業の許可・一般貨物許可のことならお任せください。
運送業専門事務所松尾和博行政書士事務所
http://unnsougyou-fukuoka.com/

ベントン視覚記銘検査〜高次脳機能障害について〜

高次脳機能障害について
各種検査について解説します。

ベントン視覚記銘検査

視覚性注意、視覚性記憶、視覚認知、視覚構成能力の4つの観点で評価します。
◯ △ □などの3つの図形の書かれた見本を見せて、その後それを同じ形、
同じサイズ、同じ並び方で書かせ、これを10枚繰り返します。


①省略、追加はないか?
②歪みはないか?
③同じ図形を繰り返し書いてしまわないか?固執性を確認します。
④上下逆に書いてしまわないか?
⑤並び方を間違えないか?
⑥大きさを極端に違えてないか?

障害とされる点数は、

年齢 点数
15〜44歳 5点以下
45〜55歳 4点以下
56〜65歳 3点以下

見本を見せる時間も5秒と10秒があり、即時記憶が可能かどうかも計ることができます。
担当している被害者について、これらの検査を行いました。
日常、家族が観察している記憶障害と検査結果が一致しました。
家族が訴える症状の裏付けがされたのです。

もう一度、繰り返しておきます。
記憶障害も、「言語」「行動」「聴覚」「視覚」と観点を変えて観察することが大変重要です。
なぜなら、高次脳機能障害は、ある部分はケがの前と変わらないが、ある部分はガクッと欠落
している特徴があるのです。これは、全般的に認知能力や記憶力が低下し、好不調の波がある
アルツハイマー型認知症とは明確に異なります。

福岡建設業許可を得意とする
松尾和博行政書士事務所に に

おまかせください。
⇒ http://www.kouisyou.com/builder/
 

年間100件の実績
福岡県の交通事故・労災の後遺障害申請のことなら・・・
   ↓↓↓

交通事故・労災における後遺障害申請手続き専門事務所
松尾和博行政書士事務所に
おまかせください。
⇒ http://www.kouisyou.com/


福岡県内の運送業の許可・一般貨物許可のことならお任せください。
運送業専門事務所松尾和博行政書士事務所
http://unnsougyou-fukuoka.com/

三宅式記名検査〜高次脳機能障害について〜

高次脳機能障害について
各種検査について解説します。

三宅式記名検査について

ある単語と単語のペアを聞かせ、それを覚えているかをみます。
その単語のペアは、関連する組み合わせ=有関連対語と、
全く無関連な組み合わせ=無関連対語、それぞれ10組で行います。

①有関連対語

連想ゲームです。まず、タバコ→マッチのように関連するペアの単語
を聞かせます。

その後、タバコと言ったら、マッチと答えられるか、3回テストします。
他には、家→庭、汽車→電車など10組10点満点です。
障害のない人は、3回までで、ほぼ正しく答えます。
平均値は、1回目8.5点ー2回目9.8点ー3回目10点。

②無関連対語

暗記力が問われます。
入浴→財産、水泳→銀行、ガラス→神社など、関連しない言葉の組み合わせに、
健常者でも苦戦しています。
平均値は、1回目4.5点ー2回目7.6点ー3回目8.5点
障害者は、無関連対語で特に点数が悪くなります。
1回目から3回目まで点数が上がらない、つまり、学習能力の低下を表します。


有関係対語試験
  1回目 2回目 3回目
  時間 答え 時間 答え 時間 答え
煙草ーマッチ            
空ー星            
命令ー服従            
汽車ー電車            
葬式ー墓            
相撲ー行司            
家ー庭            
心配ー苦労            
寿司ー弁当            
夕刊ー号外            
合計            
範囲   6.6〜9.9   9.3〜10.0   10.0〜10.0
平均   8.5   9.8   10.0

無関係対語試験
  1回目 2回目 3回目
  時間 答え 時間 答え 時間 答え
少年ー畳            
雷ー虎            
入浴ー財産            
兎ー障子            
水泳ー銀行            
嵐ー病院            
特別ー衝突            
ガラスー神社            
停車場ー真綿            
合計            
範囲   3.2〜7.0   6.6〜10.0   7.7〜10.0
平均   4.5   7.6   8.5
福岡建設業許可を得意とする
松尾和博行政書士事務所に に

おまかせください。
⇒ http://www.kouisyou.com/builder/
 

年間100件の実績
福岡県の交通事故・労災の後遺障害申請のことなら・・・
   ↓↓↓

交通事故・労災における後遺障害申請手続き専門事務所
松尾和博行政書士事務所に
おまかせください。
⇒ http://www.kouisyou.com/


福岡県内の運送業の許可・一般貨物許可のことならお任せください。
運送業専門事務所松尾和博行政書士事務所
http://unnsougyou-fukuoka.com/

リバーミード行動記憶検査、RBMT〜高次脳機能障害について〜

高次脳機能障害について
各種検査について解説します。

リバーミード行動記憶検査、RBMTについて

WMSーRが科学的な考察とすると、リパミードは日常生活に即した問題
を使用するので、より日常生活の問題点を浮き彫りにすることができます。
平成23年4月の新認定システムには、記載されていませんが有用な検査
だと思う。
検査は、30分程度です。
この検査の内容を見ると、ストレートに「日常生活状況報告表」の裏付け
になると感じました。
文字通り、「行動」に対して記憶しているかどうかを問う検査となる。

検査項目   課題 考えられる日常生活の問題
姓名 顔写真を見せてその人の姓名を記憶させ、時間を置いてからその写真を見せ、覚えているか質問する。 主治医や看護師の顔は覚えていられるが、名前が思い出せない。
持ち物 患者の持ち物を借りて、しばらくしてから、「何を借りていたのか」質問する。 自分の持ち物の管理。大事な物をどこにしまったかを忘れる。「ものとられ」妄想の有無
約束 時計のアラームをセット、20分後に鳴らし、アラームをセットしたことを覚えているかを見る。 約束、服薬、通院日などを覚えられない。
風景絵を見せ、時間をおいて覚えていられるか。 慣れた病院内で迷子になる。売店やトイレの場所を覚えられない。
物語 短い物語を聞かせ、ストーリーを覚えていられるか。 少し前の会話の内容を覚えていない。
顔写真 顔写真を見せ、時間を置いて覚えていられるか。 病院内のスタッフが覚えられない。
道順 設定されたコースを一緒に歩きながら教えて、間をおいて一人でたどらせる。 自宅から数百m離れると帰れなくなる。
新しい場所に行くと迷子になる。
要件 道順の検査の際、ある用事を言いつけ、それを覚えているかをみる。 毎日、掃除するなど、日課がこなせるか。
見当識 知能検査で行ったような簡単な質問をする。 日付や曜日、住所に混乱がある。

記憶障害とされる点数

年齢 標準プロフィール スクリーニングプロフィール
39歳以下 19点以下 7点以下
40〜59歳 16点以下 7点以下
60歳以上 15点以下 5点以下
次に、「聴覚」や「視覚」についての記憶に焦点を当てた結果です。
例えば聞いたことをその場では理解したようでも5分後には、「聞いていない」と言ったり、
全く違う言葉に置き換えてしまうなど、会話の内容を忘れている。
このような症状には、「聴覚」に特化した記憶検査を行います。
また一度見た建物を覚えられないので、何度も訪問した家に、「この家に初めて来た。」と
言う、「丸い大皿を取って」と言われて四角い小皿を渡してしまう、これらは、「視覚」検査
を徹底すると数値にハッキリ表れます。

記憶障害も、「言語」「行動」「聴覚」「視覚」と観点を変えて観察することが大変重要です。

なぜなら高次脳機能障害は、ある部分はケガの前と変わらないが、ある部分はガクッと欠落
している特徴があるのです。これは、全般的に認知能力や記憶力が低下し、好不調の波がある
アルツハイマー型認知症とは明確に異なります。

日本版ウェクスラー記憶検査、WMSーR

世界的に標準とされる記憶検査で、言語を使った問題と図形を使った問題
を13項目行います。
科学的に全般的な検査が可能で、この検査の数値から症状に特化した検査
に進むのが理想的な流れと思っています。

指標項目 関連する下位検査項目
言語性記憶 倫理的記憶 言語性対連合Ⅰ
視覚性記憶 図形の記憶 視覚性対連合Ⅰ 視覚性再生Ⅰ
一般性記憶 言語性記憶+視覚性記憶
注意・集中力 精神統制 数唱 視覚性記憶範囲
遅延再生 倫理的記憶Ⅱ 視覚性対連合Ⅱ 
言語性対連合Ⅱ 視覚性再生Ⅱ

100点を標準とし、±15点を正常値とします。
所要時間は、1時間程度で、現在はWMSーⅢに改訂されています。

092-292-9255 ご相談・お問い合わせ

12

« 醜状障害 | メインページ | アーカイブ

このページのトップへ