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脊髄障害について~2~

脊髄障害について


脊髄障害とその重症度

強い外力によって脊髄を保護する脊椎が損傷すれば、脊柱管の中を通っている脊髄が損傷を受けることがあるが、
脊椎の骨傷の有無にかkわわらず、脊髄の外力がかわって脊髄に外力が加わって脊髄が損傷すると、損傷部の出血や
微小血管形成、毛細血管の透過性の亢進、浮腫、膨張などが起り、損傷部を中心とした自己融解、もしくは自己破壊が生じる。


その結果、損傷下背傷の髄節支配領域以下に麻痺と膀胱直腸障害が発生する。

脊髄損傷の重症度は、損傷された脊髄の高位(診断)、と完全麻痺か不完全麻痺かの区別(脊髄損傷の横断位(面)診断を含む)により決定される。


脊髄の損傷部位の高位診断

脊髄損傷では、受傷直後から損傷脊髄の髄節支配領域以下に神経脱落症状が出現する。
したがって、脊髄損傷では、損傷脊髄に応じた麻痺が生じることとなるため、損傷レベルによる麻痺等の症状のパターンを整理する有用である。

一般的には、頸髄損傷では四肢麻痺、胸髄損傷では体幹と両下肢の対麻痺生じ(第2腰髄以上の損傷に限定するものや、第1,第2仙髄の損傷も含めて
整理するものものある。)、仙髄損傷(第3~第5仙髄に限定して整理するものもある。)

尾髄損傷では下肢麻痺は生じないとされる(馬尾神経損傷では下肢の運動障害が生じることががるとするものや第3仙髄以下の損傷では肛門周囲の
感覚障害や尿路障害が生じると整理するものもある。)


麻痺の原因となる病変部位(脊髄の損傷部位)の高位診断は、四肢の感覚障害・運動障害・反対の異常から判断することが可能である。

なお、図1のとおり、脊椎と脊髄成長の差による位置のズレが存在するための脊椎骨傷性の脊髄損傷の場合の高位診断の際に注意が必要である。
例えば、第6頸髄髄節は第5頸椎の高さに位置すると言った具合のようです。

~出典~後遺障害認定実務

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脊髄障害について


脊髄障害について

脊髄障害の分野においては、脊髄損傷自体の存否、すなわち、当該事故によって脊髄が損傷を負ったか否か
が争点となることが多いようです。


脊髄損傷と診断される様な症状の存否とこれを裏付ける客観的な検査所見等の存否がが
重要になってきます

そのため、多くの裁判例をみますと脊髄損傷が争点とされる被害者の訴える症状が、
脊髄損傷の一般的知見と整合性を欠いたり、脊髄損傷の典型的な症状のパターンと
一致していないことなどが争いの背景にあることが多いようです。

また、客観的な検査所見等についても、いわゆる典型的な所見との整合性の有無が
争点となるようです。

つまり、横断型損傷による典型的な脊髄損傷の症状とのいわばずれが生じる場合が争いになることが多く
、一部損傷ないし部分損傷といわれる中心性頸髄損傷の診断名、あるいわ不全損傷の診断名が付けられる事案
において頸髄損傷の有無が争われる裁判例が多いのもこうした理由によるものです。


このズレについて、いかに合理的に説得力ある説明と主張と裏付け(医学的根拠等の立証)が
なされるかが重要なのです。



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脊髄の障害に後遺障害認定について



医学的事項
1 脊髄の構造について

脊髄は、いわば神経の束であり、脊椎はそれを保護する骨(脊柱を構成するここの骨)です。
すなわち、脊髄は、脳の最下部にある延髄の下に続いている棒状の神経細胞と神経繊維の束で、脊椎により連なる脊柱の管
の中にあります。

脊髄は、その高さによって頸髄(C1~8)・胸髄(Th1~12)・腰髄(L1~5)・仙髄(S1~5)・尾髄(Coc1)313髄節に区分され
ています。つまり、上下に積み重なった髄節性構造のもとで神経ネットワークを構築しています。

脊髄の下端部は円錐状で第1,2腰椎レベルで終わり、脊髄円錐の先端からは下方に糸状に終糸を出し、第2尾錐に達します。
それ以下は馬尾神経となっている
脊髄の横断面は上記の図2、図3のとおりです。

灰白質と白質で構成されているのは脳と同じであるが、脳は深層部(中心部)が白質で表層部が灰白質であるのに対し、脊髄は深層部である
蝶のかたちあるいはH型をした部分が灰白質で神経細胞に富み、その周囲が白質で構成され、主として有髄神経繊維からできて伝導路を含んでいる。

各脊髄の髄節からは、末梢神経である脊髄神経が出ている。脊髄神経は、脊髄の背側から後根(求心路、感覚繊維)が左右1本づつ出た後、
椎間孔当たりで集まったうえ、脊髄神経根を形成し末梢に至ります。


なお、脳からの指令は神経細胞から発信されるが、この神経細胞からはのびた神経繊維(神経軸索)(神経細胞と神経繊維をあわせてニューロンと呼びます)
が大脳の中を走行して脊髄まで達する。大脳から来たニューロン(一次ニューロン)は、脊髄に灰白質内の脊髄前角で、別のニューロン(二次ニューロン)に転換されます。

背髄前角までの神経が中枢神経でその後の神経が末梢神経となります。

各髄節の横断面における神経細胞はその役割・機能二王子、周囲を取り巻く神経経路との連絡がとりやすい配置・層構造となっている。
各髄節の深層部(中心部)の灰白質では基本的には感覚系が背側に位置し後角を形成し、運動系は腹側に位置し全角を形成している。
他方、白質は、前索・側索・後索などに分けられ、前索と側索には運動系と感覚系の神経路が混在しているが、後索には感覚神経の神経路だけが存在する。

下行路(遠心路)の中心ともいえる運動に関する錐体路(外側皮質脊髄路)が側索の中央部に位置し下行していく。そして、この皮質脊髄路内を通る神経繊維は
外側から仙髄(s)、腰椎(L)、胸髄(Th)、頸髄(C)に下行(遠心)するものの順に層構造をもって配置されている。同様に知覚系についても、
上行路(求心路)のうち、例えば、外側脊髄視床路では、外側から仙髄(s)、腰椎(L)、胸髄(Th)、頸髄(C)から来たもの(上行、求心)の順に配置されています。


したがって、脊髄外の病変で脊髄に圧迫性の障害が出現するときは、外側皮質脊髄路の再外側に配置する仙髄や腰髄への下行繊維が、頸髄への下行繊維より
先に障害されやすく、下肢の運動・知覚障害が生じた場合には、逆に、上肢の麻痺が生じやすく、仙髄からの上行性神経繊維が影響をうけにくいという特徴を有することとなる。






~出典後遺障害認定実務~

続きは次回




脊髄障害とは

脊髄障害について解説させて頂きます。



脊髄障害とは


1)脊髄障害の意義

脊髄障害とは、脊髄を保護する役割を担っている脊椎が鈍的外力により
損傷されることによって発生する疾患である

この鈍的外力が加わる原因としては、交通事故や高所からの転落、堕落が
多く、それにより脊椎の骨折、脱臼などが生じるとともに、脊髄も損傷されることが多い



2)脊髄損傷による症状の概説

あ)局所症状

損傷された脊髄の局所症状として、局所の疼痛、殴打痛、腫脹、変形、可動域制限などがみられる
そのほか、顔面や頭部、腰背部などの体幹にしばしば、挫傷、摩擦傷、打撲などが認められる。


ィ 麻痺

損傷された脊髄症状として種々の麻痺を呈する
麻痺は、大きく完全麻痺と不全麻痺とに分けられる。完全麻痺では、損傷部以下の運動
知覚が脱臭する。不全麻痺は、損傷の程度、高位によって様々な麻痺を呈する。


障害部位ごとの麻痺の特徴は後述するが、基本的に脊髄損傷では四肢麻痺、胸腰随損傷で
は対麻痺(両下肢の麻痺)となる。

ウ全身症状
A   循環障害

頸髄損傷及び胸髄損傷では交感神経が遮断され副交換神経優位になるため、心筋収縮力は低下し、
心拍出量の低下、徐脈、血圧低下が起こり、血管運動神経の遮断による血管拡張はこれを助長する


B 呼吸障害
頸髄損傷では、特に呼吸障害に注意しなければならない
損傷部位が高度になるほど呼吸障害の程度は重篤になる。
横隔膜は第3~5頸髄節神経支配であるため、第3頸髄節以上の損傷では
直ちに人工呼吸を行わないと救命できない。それ以下の頸髄損傷では、
呼吸筋である肋間筋、腹筋群が麻痺するため、胸郭運動障害が起こり
喚起不全となる。


C膀胱直腸障害

中枢性あるいは末梢性麻痺により、排尿機能障害をきたした状態であり、
尿閉、残尿、失禁、排尿遅延など、麻痺の程度で種々の症状がみられる

副交換系の骨盤神経が膀胱利尿筋を支配し、尿意もこの神経を介して
伝わる。一方、脳脊髄神経の陰部神経は外尿道括約筋を随意的に
コントロールしている。両神経の中枢は第2、3,4仙髄にあり、大脳からの
支配をうけている。

脊髄障害などで脊髄利尿中枢より上位で損傷された場合、反射が亢進し
少量の尿貯留で排尿障害が起こり、抑制は不可能となり、失禁となるが
残尿は比較的少ない。一方、仙髄反射中枢や馬尾あるいは骨盤内での
末梢神経の損傷すなわち排尿反射弓の損傷では排尿反射自体が消失し、
膀胱内圧は低下し容量が増大し残尿が多く、横溢性尿失禁となる。

脊髄損傷では膀胱直腸障害は必発であり、軽症定を除けば急性
期はほぼ尿閉の状態であると考えられる


続きは次のページで

脊髄の後遺障害認定基準について




参考書籍として
交通事故における典型後遺障害と損害賠償実務
著みらい総合法律事務所








参考書籍として
交通事故における典型後遺障害と損害賠償実務
著みらい総合法律事務所

脊髄の障害について

脊髄の障害について

脊髄は脳から続く神経繊維の長い棒状の束です
全長は成人で約44センチあり、脊柱のトンネルの中に保護されています。
脊髄は、脳と身体の部分を結んで信号を伝える連絡路の役目を果たしています。

脊柱は頸椎7,胸椎12、腰椎5、計24の独特の形をした、椎骨とお互いの間の椎間板
というをはさんで高く積み上げられた柱です。最後の部分に仙骨と尾骨がついていいますから
合計26の骨で構成されています。


脊髄損傷による障害

外傷などにより脊髄が損傷され、、対麻痺や四肢麻痺が生じたとき、広範囲にわたる感覚障害や尿路障害などの
胸腹部臓器の障害が、通常、認められています。

さらには、脊柱の変形は運動障害が認められることも多くあります。
このように脊髄が損傷されたときには、複雑な諸症状をていすることも多いのですが、脊髄損傷が生じた
ときの後遺障害等級認定は、原則として、脳の身体性能の障害と同様に障害と同様に身体的所見および
MRI、CT等によって裏付けることの出来る麻痺の範囲と程度により等級が認定されます。


ただし、脊随損傷に伴う胸腹部臓器、脊柱の障害による等級が、麻痺により判断される等級よりも重い
ときには、それらの後遺障害の総合評価二より等級が認定されます。

なお、脊髄損傷による障害が別表Ⅱの3以上に該当するときは、介護の要否および程度を踏まえて
認定されます。

脊柱に外力が加わることにより、脊柱の変形等が生じることがあるとともに、脊髄の損傷が生じたときには、
麻痺や感覚障害、神経陰性膀胱等の障害が生じます
このため、脊髄の障害出歩かしの運動麻痺、感覚障害、尿路機能障害または、腸管機能障害生じるところから、
脊髄損傷による障害に関する認定基準は麻痺の範囲と程度二着目して、等級を認定するものとされていますが、
各等級は通常伴うそれらの障害もふくめて格付けされています。



脊髄は、解剖学的にはL1より高位に存在し、L2以上には存在していませんが、
L2以下の脊柱内の馬尾神経が損傷されたときも、脊髄損傷の障害である下肢の運動麻痺、
感覚障害、尿路機能障害または、腸管機能障害とは神経因性直腸障害のこt、L1とは第一腰椎、L2第二腰椎のことです。

脊髄の障害については、近時のMRI,CT、などの画像診断法の進歩により、損傷程度、損傷部位、横位診断を確認するに
あたって画像所見の有用性が高まっているところから、原則として、麻痺の範囲と程度について画像所見による裏付けを
必要とし、また、当然のことながら、脊髄症状は他覚的な神経学的所見との緻密な整合性を必要としています。

出典 ~交通事故・後遺障害診断書 交通事故110番宮尾一郎著~

脊髄損傷の後遺障害等級


後遺障害等級別表Ⅰ 介護要する後遺障害
等級 内容
1,脊髄症状のため、生命維持に必要な身の回り処理の動作について、常に他人の介護を要するもの

高度の四肢麻痺が認められるもの
高度の対麻痺が認められるもの
中程度の四肢麻痺であって、食事、入浴、用便、更衣について常時介護を要するもの
中程度の対麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣について常時介護を要するもの
高度の片麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣について常時介護をようするもの
 
2 1,脊髄症状のため、生命維持に必要な身の回り処理の動作について、随時介護を要するもの

中程度の四肢麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣について常時介護を要するもの
軽度の四肢麻痺であって、食事、入浴、用便・更衣について臨時介護を要するもの
中程度の対麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣について臨時介護を要するもの

 


後遺障害等級別表Ⅱ
等級 内容
3,生命維持に必要な身の回りの処理の動作は可能であるが、脊髄症状のために、労務に服することができないもの

軽度の四肢麻痺が認められるもの
中程度の対麻痺が認められるもの
 
5 2,脊髄症状のために、極めて軽易な労務の他服することができないもの

軽度の対麻痺が認められるもの
-下肢に高度の単麻痺が認められるもの
 
4,脊髄症状のため、軽易な労務意外には服することができないもの
-下肢に中程度の単麻痺が認められるもの
9 10.通常の労務に服することはできるが、脊髄症状のため、就労可能な職種の範囲が相当程度に制限されるもの
-下肢に軽度の単麻痺が認められるもの

12
13.通常の労務に服することができるが、脊髄症状のため、多少の障害を残すもの

運動性、指示性、巧緻性及び速度についての支障がほとんど認められない程度の軽微な麻痺を残すもの、また運動障害は認められないものの、広範囲にわたる感覚障害が認められるもの、軽微な筋緊張の亢進が認められるもの
運動障害を伴わないものの、感覚障害がおおむねー下肢にわたって認められるもの
 
なお、上記にかかわらず、自賠責保険においては、別表Ⅱの三級、軽度の四肢麻痺もしくは
別表Ⅱの5級、軽度の対麻痺に至らない程度の脊髄障害について、一律に別表Ⅱの12級

軽微な麻痺とすることは被害者保護の観点から適当でないと考えられることから、
麻痺の程度並びに動作制限の程度に応じて四肢麻痺では別表Ⅱの5級、7級、9級
を適用することができます。


ここで言う軽微な麻痺とは、労務に服することができない程度にいたらない四肢麻痺、
極めて軽易な労務の他に服することができない程度に至らない対麻痺を残すものが該当します。





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